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誰かの見る夢の話

何処の島にいる"ホルス"という名の青年の夢の記憶。
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  • 05/08/08:40

ホルスという名前


僕の昔の名は「ぱいろん」
今の僕の名は「ホルス」

昔の事は思い出せた、けれど "今"の事は何もわからない。
アルシンハは

「既におぬしは在るべき場所で新たな身体と、新たな家族を
 得ておるではないか。」

と言っていた。 ならば、この「ホルス」という名も僕が在るべき
場所で名付けられたのか?



島の崩壊が2日前から始まった。
人が減り、マナが減り、夢のこの世界を構築するマナが減って少しずつ
少しずつ島が崩壊している。
地面が、木々が、砕けて霧散して…島にいる人々は皆安定した地面の方
へと移動する。 閑散としていた地域に人が集まり出す。

閑散としていたから回避出来ていた闘いも、また回避出来なくなるよう
な気がする。 キズナの言う「呪いの20日間」が終わるまで、僕たちは
闘わねばならない。自分が生き延びる為に。


ゆんまお・・・いや 今はキズナ。
夜、彼女と共に眠っている時に彼女が見せる苦悶の表情。
キズナとして流転した先で、どれだけ辛い想いをしたのだろうか?
僕がそっと抱きしめる事で少し安心したような顔になるけれど・・・。

「常に独りで生き続けなければならない。」

それがキズナに科せられた罰。
愛しても報われず、友を得る事も出来ぬ 永劫の孤独。
痛みよりも辛く苦しい罰。

一緒にいられるのは後何日なのか。
呪いの終わる日までずっと一緒にいられたとしても、それも後7日間。
その前に消えてしまうかもしれない不安定な時間。

それでも、その短い間だけでも一緒にいられればいい。
短い間だけでも その心の穴を埋める事が出来るのなら・・・。

「……ホ…ル…ス…」

キズナが眠りながら僕の名を呼んだ。
嬉しくて、そっと胸に抱き寄せて僕も眠る。
アクバーラにいた時のように、2人身体を寄せあって眠る。
あの頃にはもう戻れないけれど、今この時だけは・・・・・・。




+++++++++++++++

「・・・命が宿った。
 2人目じゃな。喜ばしい事だ。」

「それは本当か? ペレ。
 まさか また子が出来るとは思いもせなんだが・・・。」

「何を言うか テラ。
 竜人同士が夫婦になること自体珍しい事じゃが、既に1人生まれて
 おるのだから2人目が出来てもおかしくなかろうよ。」

低くしゃがれた声が微かに、頭の中へと聞こえる。
僕の側に、僕のいる場所と同じ場所にいるのが "ペレ" と呼ばれたモノ。
もう1人の "テラ" は何処か別の場所にいるようだ。

「まだ 母親ですら気付いておらぬ。
 じゃが、確かにここに新たな生命がいる。 新たなる我らの同族の
 誕生じゃな。」

嬉しそうにペレとテラは話している。
僕はただそれを聞いているだけしか出来なかったけれど、2人は微睡む僕に
いつもいつも語りかけてくれた。

「ふむ 名がないと不便じゃな。
 どうした物か?」

「名を付けるのは親の役目じゃが…レーンの時のように我ら2人が「守護名」
 を与える事は出来よう。 気は早いがつけてしまおうではないか。」

「レーンには天空の守護を与えた。2人目のこの者にも天空の守護を。」

「空のように雄大に、そして天駆ける太陽のように力強い者になるように
 我ら火と大地の守護竜がそなたに名を与えよう。」





「お前の名は・・・ホルス。」

+++++++++++++++

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