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殺戮の島
あのひとのなは"キズナ" ゆみをもったひとのなは"リョウコ"
ふたりにきかれた。
「あなたの名前は?」
・・・なにもおぼえていなかった。でもあのひと…キズナがきいて
いるから、おもいださなくちゃとおもった。
ひっしにかんがえていたら、おもわずことばがでた。
「ホルス」
そうだ。うたをききながらまどろんでいたときに、だれかがぼくに
そうよびかけたことば。きおくにのこることば。
たぶん これがぼくのなまえ。
こうして ぼくたち3にんはいっしょにこうどうすることになった。
3にんでしまをあるいてしらべる。
キズナとリョウコがいっていた。ここからでるすべがないって。
とにかく ここでなんとか3にんでやっていくしかないって。
そうこうしているうちに、このしまにいるへんないきものがおそい
かかってきた。いぬとみどりいろのにんげんがふたつ。
じぶんたちのみをまもるために、ぼくたち3にんはたたかう。
キズナはかわったナイフで、リョウコはゆみで。
ぼくは・・・もっていたきばのようなもので。
おそいかかるあいてをなんとかねじふせ、ほっとする。
でも…なんかちがう。
ぼくはこんなものでたたかうものではなかった そんなきがする。
たたかいをしらぬわけではない。むしろ つねにたたかっていたと
おもう。 でも いまのようなたたかいかたをしてはいなかった。
ぬぐえない いわかん。
なんだろう。このきもち。
ぼくはいったい・・・。
そして びっくりしたことがもうひとつ。
このしまにはたくさんのひとたちがいる。
キズナのようなにんげん、けもの、いぎょうのもの・・・。
みんな ぼくたちとおなじようにしまにやってきたものたち。
そのひとたちが、たがいにぶきをとりたたかいだしたんだ。
そのさまをみて ぼうぜんとしていたら、キズナがいった。
「この島のルールよ。私達は出会った相手と"コロシアイ"を
する事になっているの。」
キズナのことばにリョウコもかるくうなずいた。
リョウコはうっすらとわらいをうかべながら、まわりのたたかいの
ようすをみている。
まるでたたかうのがたのしみだと いわんばかりに。
キズナはしまのあちこちでおこっているたたかいをみて、すこしだけ
つらそうなかおをした。
きぜんとしたたいどをみせながら、こころはふあんにゆれている。
なかないで。キズナ。
ぼくがいるから。
そばにぼくがいて、キズナをまもるから。
いっしょにたびをしたあのときのように。
ぼくがキズナをまもるから。
だから・・・。
ーーーーーーーーーーーー
「常に・・・と共にあれ」
誰かがあの人にそう言っていた。
僕とあの人を引き合わせた、暗い洞窟に住む世捨て人。
名は・・・ーーーーー。
伝説として語られている人だ。
「ーーーー。あんたは私の新しい家族。
世界でただ1人の私の・・・・よ。」
そう言って あの人は僕を優しく抱きしめた。
そして 僕とあの人は一緒に旅をすることになった。
小さな僕をを慈しんで見守ってくれたあの人と、2人で。
いつの間にかあの人は僕よりも小さくなっていたけれど、
僕にとっては何よりも大切な人。
僕はあの人を護る為に共にいる。
大切なあの人を護る為にどんな者とも闘おう。
例え それで自分の命を失ったとしても・・・。
ーーーーーーーーーーーーー
とつぜんこころによみがえったおもいで。
キズナをまもる ときめたしゅんかん に。
ぼくはキズナのためにこのしまにきた。
だから ずっとそばにいて。
ぼくのなをよんで。ぼくをだきしめて。
あのころのように。
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