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誰かの見る夢の話

何処の島にいる"ホルス"という名の青年の夢の記憶。
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  • 04/26/12:23

貴女が望むなら


しまのたたかいで、きえたひとたちがいる。
いきるちからである"マナ"をうしない、しまからすがたをけす。
もうなんにんものひとが"マナ"をうしない、きえていったのだと・・・。
しまにいるだれかがそういった。


みみをそばだてて、めをとじてけはいをかんじる。
たしかに、さいしょにしまにきたときよりもけはいがへっていた。

きえたひとたちはどこへいったのだろう?
きえたひとたちはやはりしんでしまったのだろうか?

きえてしまったら、このきもちもきえてしまうの?
きえてしまったら、キズナのこともわすれてしまうの?

しんでしまったら なにもかも・・・・・・。



ーーーーーーーーーーーーーーー

世界は何時始まったのか?
世界に終わりは来るのか?
終わりが来るとしたらその先に在るものは?

あの人が慕っていた女戦士が、雨の草原でそんな事を言っていた。
それをきいたあの人はどう答えていいのか分からず、少し困った顔を
していた。

誰も知らない 世界の理。
あの 女戦士は解く事が出来たのだろうか?


でも 僕は知っている。
死してもなお魂は不滅だと言う事。
魂は世界を流転し、再び生まれ変わると言う事。



それが "サンサーラ" の理。


・・・どうして僕はそれを知ったのだろう?
何故・・・?

ーーーーーーーーーーーーーーー



いきるためのたたかいはつづく。
たおさなければ、じぶんたちがきえてしまうから。
だからようしゃはできない。

きょうで7かい ひがのぼった。
いっぱいではないけれど、なんとかちからをたくわえてきえずにすんで
いる。キズナもリョウコもぼくも。ひっしになってたたかう。

たたかいがおわるともうくたくたで、ひをかこんで3にんともがちから
なくうずくまる。
キズナがかなしそうなかおをしていたから、どこかいたいのかときいたら
キズナはこうこたえた。

「奪ったり、奪われたりするのは悲しい事だよ。誰かが倖せになれば、
 その分だけ誰かが不幸になる。自分が倖せになるには、誰かを不幸に
 しなくてはいけない。」

とてもとてもかなしそうなかおをして…ぼくはおもわずキズナのほほをなめた。
つよいひかりをもつそのひとみから、ながれるなみだをとめたかったから。

キズナはいっしゅん からだをこわばらせたけど、すこしあかいかおをして

「ふふ…くすぐったいよ。 …ねえ、ホルス。こっち側も、涙…」

そういってはんたいがわのほほをみせる。
ぼくはまよわず、むけられたほほをつたうなみだをなめた。
キズナのほほはとてもやわらかい。このまえだいたときもおもったけれど、
…キズナはとてもちいさくてやわらかくて…あたたかい。


こうしてキズナにふれていると、ふしぎなきぶんになる。
なんだろう このきもち。 いっしょにいるだけでもしあわせなのに・・・。
もっともっとキズナにふれたいとおもうこころ。
こわさないように、そっと。 そして、キズナのすべてにふれたい。

「ちょっと、昔の嫌な事を思い出してしまっただけ。
 もう大丈夫だよ、ホルスが側に……」

キズナのこえで、われにかえった。
さいごのほうのことばは、とてもとてもちいさなこえでつぶやいていたけど
ぼくにはわかる。




ーーーーーーーーーーーーーーー

小さくなってしまったあの人が、残念そうに僕を見上げる。

「もう抱っこしてあげられないわね。」

洞窟で独りで生きていた間に、僕の身体は随分と大きくなっていた。
あの生きる為に闘った日々が、僕の身体を強くし、大きくしたのだ。
洞窟から出て、あの人と2人で旅を続ける事になった初めての夜。

悲しそうな顔のあの人を慰めたくて、頭をそっとあの人の側へと降ろす。
あの人は両手を広げて僕の頭を抱きしめてくれた。

「心配してくれているの? 優しい子・・・。
 抱き上げられないけれど、こうして頭だけでも抱きしめられる。

 アンタはとても優しい。こうして触れればすぐに分かる。」


小さな身体から感じる暖かな想い。
大好きなあの人の心。
触れる部分は小さいけれど、触れ合う事で僕の心も暖かくなって幸せに
なれた。心が満たされた。

ーーーーーーーーーーーーーーー



キズナがのぞむなら、ぼくはずっとキズナのそばにいよう。

かたときもはなれず、キズナをまもろう。
まえにであったときのように、いのちをかけて。


だから ぼくをだきしめて。
そして・・・もっとキズナをかんじさせて。




それだけで ぼくはきっとつよくなれるから。


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