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誰かの見る夢の話

何処の島にいる"ホルス"という名の青年の夢の記憶。
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  • 09/24/15:43

What's Going On



キズナが望むままに僕はキズナの身体に口づけた。
2人 月明かりの下で身体を重ねて、互いの体温を確かめあった。

ふと キズナの瞳の色が変わり、懐かしい眼差しになる。
いつも僕を見守ってくれていた、僕だけの 僕だけのヒト。

「…あはは、良い男になったじゃないか、ぱいろん…。」

ゆんまおだ。魂の中にある僅かな欠片が、表に出てきたのだろう。
これを知ったら、またアルシンハは「あり得ない」と苦笑いして
しまうに違いない。

「この記憶は私の片隅に残っているもの、これが本当に「私自身」
 のものか、そして私自身「私が誰なのか」はわからないけど…
 でも、あんたのことはわかる。はっきりとわかるよ…

 だからちょっとの間だけで良い、抱きしめさせて…」

ゆんまおは優しく手を差し伸べて、僕を抱きしめる。
昔と同じに、力強く、そして優しく激しく・・・。
僕も懐かしくて同じように抱きしめる。あの時の僕はゆんまおをこうして
抱きしめたくとも抱きしめられなかったから…。懐かしい気配、誰よりも
大切なヒトの魂に触れて、僕は涙が止まらなかった。


「この子」は、私が罪を償う輪廻の無限連鎖の中のひとつの可能性。
 体と意識はこの子のもんだ、だから私はまた還らなきゃいけない。
 今は無理矢理外に出てきただけだからね…」

 ありがとう、ぱいろん。またこの「生」のどこかで…。
 きっと…きっと逢えるよ…」

そっと僕に優しくキスをして、悲しそうに微笑んでゆんまおはまた消えて
しまった。魂の奥底で眠りにつく為に・・・。



泣いている僕を見てキズナはビックリした顔をしていた。
慌てて僕は涙を拭いてキズナを抱きしめた。


キズナとして転生した先での事をキズナは僕に話してくれた。
誰からも必要とされなかった。親も周りの者も誰1人としてキズナに優しい
言葉をかけなかった。やっと出来たと思った友達にも裏切られて・・・

キズナの心はたくさん傷ついていた。
ただキズナは「誰かと共にいたい」だけなのに。
「誰かに必要とされたい」だけなのに。
理を犯した罪を償う為にヒトにとって一番大切で、心の拠り所となる
モノを奪われたキズナ。

一度目の転生で、こんなにも心を黒いモノに支配されかけている。
これが償いなのか?
闇に墜ちて悪鬼となる事が償いだというのか?


誰がそんな事を決める事が出来る?
キズナは自分の快楽の為に墜ちた訳でもなんでもない。
「愛するが故」に心が壊れたのだとアルシンハは言っていた。

原因は僕。

ゆんまお1人の罪なんかじゃない。 なのに・・・。


泣き疲れて僕の腕の中でキズナが眠っている。
その頭を撫でながら、僕は考えていた。

・・・誰がヒトの罪を裁くのか という事を。






島は増々狭くなり、残った僅かな大地にヒトが集まっている。
前と違い、ヒトと闘う事を避ける事はもう出来ない。

残された時間は少ない。

僕がキズナの側にいる事の出来る時間も…。

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